当たり前の話ですが、珈琲豆は農産物です。
この中には「欠点豆」と呼ばれる、いわば不出来な豆が混入しています。
欠点豆には様々な種類がありますが、これを取り除く作業は手作業なので「ハンドピック」と言います。
欠点豆をハンドピックするのは、焙煎前と焙煎後の2回。
欠点豆が入ったままその珈琲を飲むと、香り風味、味に影響が出ます。
時には身体に悪いので、気持ちが悪くなったりします。
珈琲豆を焙煎する店(人)にとっては、「当たり前の作業」なんです。
どんな種類があるかというと・・・
〇未成熟豆・・・成熟しないうちに収穫され、まだ珈琲豆として発育していない。小さかったり、いびつだったりする
ので、熱の通りが均一にならない。
〇欠け豆 ・・・脱穀、乾燥させる過程で欠けてしまった。熱の通りが均一にならないので恵時に影響が出る。
〇虫食い豆・・・中に虫が入って穴が開いている。そこからカビが生えたりすることもある。
〇カビ豆 ・・・乾燥させる時にカビてしまった豆。もちろん体に悪い。味も悪い。
〇貝殻豆 ・・・中の胚乳がなくて、貝殻のように空洞になっている。熱の通りが均一にならず、こげてしまったりする。
〇発酵豆 ・・・発酵槽に浸けておく際に発酵しすぎてしまった豆。発酵槽に浸けすぎ、発酵槽内の水が汚れていると
できる。
〇発育異常豆・・遺伝子異常や発育の段階での異常生育。大きさにばらつきがあり、味にも影響が出る。
〇黒豆 ・・・発酵し過ぎてしまった豆。嫌な酸味や異臭を出す。
〇死に豆 ・・・発育の途中で死んでしまった豆。形は珈琲豆だが、白い色をしている。
〇パーチメント・・果肉の内側の内果肉が残されたままの豆。火の通りが悪くなるので、中までしっかし熱が伝わらない。
また、このパーチメントだけがはがれて混じっていることもある。
〇異物 ・・・クギ、石、コンクリート片、とうもろこしなど。乾燥させる際にコンクリートの上でサンドライ
(日光乾燥)させるとよく混入することがある。
農園で管理し、出荷しているスペシャリティコーヒーの場合は、欠点豆を取り除いてから出荷しているので、仕入れてからハンドピックしてもとても少ない。全体の1~5%くらい。
国ごとに出荷しているコモディティコーヒー(ブラジル・サントスなど)は欠点豆の量が多い。5~10%くらいは捨てることになる。
よく、コーヒー好きの方に、「あの店の珈琲は美味しいよ。店長がちゃんとハンドピックしているんだよ。」
と、教えられることがよくあります。
しかし、前述のようにこれは「当たり前の作業」なんです!
この作業をしないと「美味しい珈琲」にはならないのです!
ほとんどの珈琲豆屋さんでやっていることです!
ただ、なかにはハンドピックせずに販売している店があるのは否めません。
「嫌なにおいがする。」
「ツンと酸っぱい味がする。」
「不味い。」 ・・・の原因です。
珈琲は飲んで体内に入れるものです。
身体に悪いモノは飲みたくないものです。
そして、できるだけ美味しいモノを飲みたいものです。
当店では、ハンドピックは必ず念入りにやっておりますので安心してください。