私が珈琲に目覚めたのはいつだろうか?
初めて飲んだのは小学校低学年の頃。
家にあった瓶に入ったインスタントコーヒーの粉にクリープを入れてお湯を入れて飲んだ。
美味しくてびっくりした。
大学生の時、学校の正面にあった喫茶店で飲んだブレンドコーヒー。
美味しくてびっくりした。
これが初めて飲んだドリップしたレギュラーコーヒー。
「目覚め」と言われればインスタントコーヒー。
しかし、「はまった」のはレギュラーコーヒー。
このブログを読んでいる皆さんにもそれぞれ「珈琲に目覚めた時期」があるはずです。
いつからか、私の喫茶店巡りが始まった。
不定期だけど、気になった店を見つけては、そこで珈琲を飲む。
そして、「いつか美味しい珈琲が飲める喫茶店をやりたいなぁ…。」と思うようになる。
でも、やりたいと思っていてもそう簡単に若い自分に「店」を構えることなんてできないことくらいはわかっていた。
大学を出て、もう一つの夢をかなえるために試験を受け、合格し、就職した。
その仕事はやりがいがあり、毎日が充実していた。
その代わり、休みはなかった。
職場の休みは普通にあるのだが、自主的に休日出勤して仕事をしていた。
普段の勤務日も8時~5時の勤務時間だったが、帰るのはいつも12時を過ぎていた。
仕事を覚えるために、まずは先輩の仕事を手伝う。技術を盗むために。
先輩方が帰ってからが自分の仕事の時間。
その頃はもう「喫茶店」のことは忘れていた。
ただ、珈琲は毎日飲んでいた。
朝…自分で淹れる珈琲。目覚める。美味い。(と思っていた)
職場…マズい。。。仕方ないから飲む。
仕事が落ち着いてきた頃、「喫茶店」のことを思い出す。
やっぱりやりたいのだ。
また喫茶店巡りが始まった。
その頃はもうネットで検索して有名な店、美味しいといわれる店、オシャレな店なんかを簡単に探せるようになっていた。
北海道内、いろんな喫茶店に行ってみた。
「淹れるところを見せてください!」
快く見せてくれる店、きっぱり断る店。いろいろ。
美味しいと思ったら、そこの豆を買って帰る。
家で自分で淹れてみて、同じ味が出せるかやってみる。
そうして巡っているうちに、「淹れる」ことも重要だが、「豆の焙煎」がダメなら美味しい珈琲はできないと知る。
今度は自家焙煎巡り。
北海道中巡ったが、自家焙煎は札幌が激戦区。
札幌が一番効率よく巡れた。
ただ、品ぞろえの多い店もある中、バリエーションの少なさにがっかりする店も多かった。
いくつかのお店を除いては、ほとんどが深煎りがメインの店が多かった。
そして「ブレンド」が多く、「シングルオリジン(ストレート)」が少ない。
いつの間にか、「喫茶店」への夢が「焙煎屋」へと変わっていった。
・・・そして今に至るのだが、豆のバリエーション、焙煎のバリエーションを考えるとこんな店になってしまった。
お客様にとってはめんどうくさい店だろう。
豆を買うのに20分も待っていたり、事前に予約したりするのだから。
小学生の頃に味わったインスタントコーヒーが、今はこのような形に変わってしまった。
今、私が願うことは、私の店の珈琲豆で「目覚める」人が出てくれることだ。
それがこれからの夢である。