珈琲豆は普通はロースト(焙煎)された状態で黒くなって販売されていますよね。
自分は焙煎を仕事にしているので、他店で販売されている珈琲豆がどのロースト段階なのかが気になります。
焙煎段階は、大きく分けると ①浅煎り ②中煎り ③中深煎り ④深煎り の4段階に分けられますが、
もう少し細かくすると、
浅煎りは ①ライトロースト ②シナモンロースト
中煎りは ③ミディアムロースト ④ハイロースト
中深煎りは ⑤シティロースト ⑥フルシティロースト
深煎りは ⑦フレンチロースト ⑧イタリアンロースト
・・・と8段階に分けられます。
※焙煎する人はさらに32段階に分けて焙煎します。
ただ、この焙煎段階は、焙煎する人(店)によって基準が違うのです。
どれくらいの深さをシティローストにするのか?・・・みんな違うのです。
私は、新しい豆を仕入れたら、まずシティローストで試します。
私のシティローストは、1ハゼが終わり、2ハゼに入る手前で止めます。
それを『私のシティロースト』としています。
先日、札幌のコーヒーマルシェで知り合った自家焙煎の店のオーナーさんの所へ行って、いろんな話をしました。
その中でもこの「焙煎段階」が話題になりました。
その方も私と同じで、2ハゼの手前をシティローストとして、その店の豆のスタンダードとしています。
私の店は、お客様からオーダーを受けてから焙煎するので、お客様は焙煎段階をオーダーできるのです。
常連さんは「いつもより浅くして!」「この豆をちょっと深く焙煎して。」…という感じで注文します。
私の焙煎を知っているからだと思います。
初めてのお客様には、私におまかせしていただくか、「深煎り」ならどれくらいの深さか?黒光りするくらいか?を聞いてから焙煎します。
ここまで読んで、「コーヒーローストってめんどうくさい店だなー…。」と思う方も多いかもしれませんが、おまかせしてくだされば、その豆のちょうどいいところ(美味しいところ)で焙煎します。
浅煎りが好きな方でも、どんな豆でもいいというわけではありません。浅煎りで美味しくなる豆があります。
深煎りが好きな方でも、どんな豆でもいいというわけではありません。深煎りで、その豆の良さがなくなる豆もあります。
また、浅煎りでも深煎りでも中煎りでもイケるオールラウンドプレーヤーの豆もあります。
そのあたりは私がアドバイスします。
ただ、すごく気になるのは、『フレンチブレンド』みたいに売っている店の豆。
フレンチローストにしているのはわかるのですが、何の豆をフレンチにしているのかがわからず、私は店の人に聞いてしまいます。(嫌な顔されますけど…。)
先日は時間つぶしに某有名コーヒーチェーン店に入りました。
そこはアレンジコーヒーが有名な店だったのですが、私はアレンジに興味がないのでブラックを頼もうとしました。
対応してくれたのは、その店のチーフとみられる男性でした。
私「ブラックでほしいんですけど。」
店「今日は〇〇ブレンドとなっています。」
・・・やっぱり焙煎段階だけの名前のブレンドだ…。
私「何の豆のブレンドですか?」
店「えーっと・・・。。。」
私「どこの国かだけでも教えてください。」
店「ラテンアメリカです!」
私「え?ラテンアメリカのどこですか?」
・・・だって、ラテンアメリカにはコーヒー産国がたくさんあるじゃないですか。その国によって味が全く違うのに。
店「・・・たぶん、コスタリカかな・・・?」
私「わかりました・・・。」
とっても残念な気持ちになりました。
似たような業種なのに、自分の販売しているものの中身を知らないんだ。。。
自分が嫌がらせしているみたいに感じたので、やりとりはやめました。
ただ私は、自分の飲むコーヒーの中身を知りたかっただけなんですが、意地悪な客と思われるのも嫌なので…。
私の店がいい店かどうかはわかりません。お客様が決めることです。
ただ、何もわからないものを販売している店がある。買う人がいる。
ステーキ屋さんで「この肉はどこの肉ですか?」って聞いて、店員が答えられなかったら不安ですよね?
逆に「〇〇国の△△地方の□□牛です。」って詳しく教えてもらえたら、信頼して食べられますよね。
コーヒーも同じです。
あ、焙煎段階の話から産地の話になってしまいましたが、自分の口に入れる物の知識は知りたいですよね。
さらに、レアか?ミディアムか? がわかればもっといいですよね。