コーヒー豆の精製方法とは?

コーヒー豆の精製を意味するコーヒー用語で、コーヒーの精製には大きく分けて2種類あります。自然乾燥式(ナチュラル)と、水洗式(フリーウォッシュド)です。(その中間のパルプドナチュラルという精製も普及してきています。

パルプドナチュラルは少量の水を使って精製するので、フリーウォッシュドとはまた違う精製方法となります。)現在のマーケットでは、フリーウォッシュドのほうが高品質のコーヒーは多いように思います。それは、フリーウォッシュドは収穫してきたコーヒー豆を『水』に浸けて、まずは『比重選別』でしっかり実の詰まったコーヒーと実がスカスカのコーヒーチェリーと選別します。その後、しっかり実の詰まったコーヒーチェリーを機器を使って『果肉』をむしり取ります。このときに『未熟豆』は果肉が固いので、果肉の除去ができずに『青い果肉が付いたまま』の状態となるので、簡単に未熟豆の判別ができます。その後、果肉を除去されたコーヒーの種子はパーチメントと呼ばれる固い殻に包まれた状態で、お水の中に浸されて、パーチメントの外側にネットリとついている『ミューシレージ(糖度の高いヌメリ)』を水のバクテリアによって取り除きます。浸ける時間は産地にもよるみたいです。その後天日乾燥し、大型のドライヤーなども使用して水分値を前後に整えます。

ちなみに中間のパルプドナチュラルは、水が豊富に使えない産地や、水があっても水にミューシレージを除去してくれるバクテリアが存在しない産地が編み出した手法です。ブラジルや、中米のグァテマラ以外の国でよく使われてきています。

一方、ナチュラル(自然乾燥式)は、収穫してきたコーヒーチェリーを乾燥場にまんべんなく広げ、天日乾燥により2~3週間かけて、果肉部分の水分を抜いていきます。夕方になると一箇所に集め、ビニルシートで覆い、夜の湿気が降りてきてコーヒーチェリーが湿ることを防ぎます。そしてまた翌日、日が昇り地面が乾燥したらビニルシートをはがし、広げて乾燥させますが、常にひっくり返さないと発酵してしまうので、手間が問われます。雨が降らない乾季に収穫できる産地でないと、このナチュラルの精製は無理だと考えられます。昔より行われている精製方法ですが、メリットとしては、干物などでもそうだと思いますが、天日で乾燥させることで『旨味や甘みが増す』ことだと思います。コーヒーに関しては、『柔らかい味わいになり、旨味・甘みが出る』ように思います。が、デメリットとしては、ウォッシュドの精製では除去される『比重選別の欠点豆の混入』と、果肉除去の工程で除去されるはずの『未熟豆の混入』がウォッシュドと比べると遥かに多くなることで、『ハンドピックが大変』なことと、乾燥段階での『ひっくり返し』がきちんとされないと発酵臭が付き易く、高品質な味わいにするためには経験と努力を必要とします。

当店では、販売前と焙煎後にハンドピックをしておりますので、欠点豆の混入は至極少ない状態だと思います。フリーウォッシュド(水洗式)にはフリーウォッシュドの良さがあり、ナチュラル(自然乾燥式)にはナチュラルの良さがあり、パルプドナチュラルにはパルプドナチュラルの良さがあります。それらの個性を引き出すロースト(焙煎)が大事で、個性の輝きを増しさせるのは、ローストを担当する焙煎師の仕事なのです。